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気候変動が花粉症を増加させている?

最近、私のアレルギーがひどくなっているように感じます。そして、統計データを見ると患者さんのアレルギー症状も同じように悪化していることがわかります。
これまで私は、患者さんに鼻腔ステロイドや抗ヒスタミン剤を処方し、市販の目薬を勧めるとともに、アレルギーの原因となる物質を避ける方法について指導してきました。おそらく今も、多くの病院でこのような対応が行われているでしょう。
人々は、より多くのストレスを抱え、忙しく働き、睡眠不足の影響でアレルギーに対して脆弱になっているのでしょうか? それとも、アレルギーそのものが実際に深刻化しているのでしょうか? もしくは、気候変動の悪化が、過去数十年間にわたるアレルギーや喘息の増加の主な要因となっているのでしょうか?
本記事では、気候変動と花粉症の関係について、詳しく見ていきたいと思います。

 

花粉量の増加と飛散する季節の長期化

季節性アレルギーは、春はスギやヒノキなどの木、夏はイネ科の雑草やキク科の植物、秋はブタクサなどが原因となり発症します。近年は霜のない時期(春の最後の霜から秋の初霜までの期間)が長くなり、人々が花粉にさらされる時間も増えています。この期間が長くなることで、アレルギーが発症しやすくなり、患者数の増加につながる可能性があるのです。実際に、多くの患者さんが目のかゆみ、鼻水、くしゃみといった症状を訴えています。
また、気候変動の影響で春の始まりが早まり、秋の終わりが遅くなったことで、植物が成長し花を咲かせる時間が長くなり、結果的に花粉の飛散期間も延びています。ある研究によると、1990年代から2010年までの間に、花粉シーズンは平均3日早く始まるようになり、年間の空気中の花粉総量は40%増加しました。さらに、1990年から2018年にかけてくしゃみを引き起こす花粉濃度が上昇し、花粉シーズンが長くなったことが確認されています。これらの変化の主な原因は、気候変動にあると考えられています。

花粉の影響を強める気候変動

アレルギーシーズンが長くなるだけでなく、気候変動によってアレルギー患者が心配すべき問題は他にもあります。まず、二酸化炭素の増加により植物の成長が促進され、それに伴い花粉の生産量も増加。さらに、一部の研究では、二酸化炭素濃度が高い環境ではアレルギーの原因となる花粉の影響が最大1.7倍強まる可能性があると指摘されています。加えて、気温の上昇により花粉を生産する植物の生息域も拡大。たとえば、秋の花粉の代表であるブタクサが、これまで生育できなかった地域にも広がる可能性があるとされています。

さらに、気候変動の影響で北極の氷床が溶け海面が上昇。その結果、沿岸部では洪水が増え、カビが繁殖しやすくなります。これが原因で、アレルギー反応や喘息の悪化につながる可能性があります。

また、雷雨のような激しい気象現象は、喘息発作による救急搬送の増加と関連があることが分かっています。詳しい原因は解明されていないものの、雷雨による強風が大量の花粉をまき散らすことが影響しているという説もあります。アレルギーと喘息は深く関連しており、多くの専門家が気候変動の進行とともに「アレルギー喘息」の症例が増加する可能性を指摘しています。

アレルギー患者にできること

気候変動は、アレルギー患者が直接対処できる問題ではありません。そのため、できるだけ自分の健康を守るための対策を講じることが大切といえます。自身を取り巻く環境が気候の変化とともに変わっても、季節性アレルギーの影響をコントロールし、くしゃみや目のかゆみを軽減する方法を取り入れることは可能です。

具体的には、以下のような方法があります。

- アレルギーの治療には、抗ヒスタミン剤、鼻腔ステロイド、目薬が有効です。また、必要に応じて喘息薬なども使用することができます。もし他の薬を服用している場合は、市販のアレルギー薬と相互作用がないか、必ず医師に確認しましょう。

- アレルギー検査やアレルギー注射、舌下免疫療法などの予防策が有効かどうかも、医師に相談してみるとよいでしょう。これらは、アレルギーの原因となるアレルゲンに徐々に体を慣れさせて、免疫系が過剰に反応しないように調整する方法です。

- 花粉の飛散情報をチェックし、飛散量が多い日は長時間の屋外活動を避けましょう。ただし、運動や趣味の時間を減らすことは健康に良くないため、花粉の多い日は 屋内で運動 するのがおすすめです。

- 外出後は衣類を洗濯し、お風呂やシャワーで花粉を落としましょう。

- 風が強い日や花粉が多い時期は、窓を閉めることで屋内への侵入を防げます。花粉の飛散量が多い日は、屋外ではマスクを着用し、車を運転する際は窓を閉めましょう。

- 家が浸水した場合は、カビが発生していないかチェックし、見つけたらすぐに除去してください。

- 二酸化炭素の排出を抑え、花粉を出さない木を植えるよう心がけましょう。春・夏・秋に飛散する花粉の一部は樹木から発生しますが、木は二酸化炭素を吸収し、酸素を作り出すことで空気の質を改善する役割を果たしています。気候変動が私たちにとって大きな課題である今、アレルギー患者であっても木を守り、植えることが大切です。

最後に

最後に、私が愛用しているサプリメント、「リリーバー」をご紹介します。リリーバーにはアレルギー症状の緩和に役立つ成分が含まれています。まず、酢酸菌GK-1はアレルギー抑制効果が証明されている成分で、花粉症やハウスダスト、ほこりによる症状の軽減が期待できます。さらに、原茶抽出物が炎症を和らげ、発酵黒ジャバラが免疫細胞の過剰な反応を抑制することで、アレルギーの発症を防ぐサポートをしてくれます。私のようにアレルギーでお悩みの方にとって、リリーバーは有効な選択肢のひとつとなるでしょう。

 

参考文献

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4356643/
https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2013284118
https://www.health.harvard.edu/diseases-and-conditions/allergies-tips-to-minimize-your-exposure-to-mold
https://www.health.harvard.edu/blog/respiratory-health-harms-often-follow-flooding-taking-these-steps-can-help-202211092848

 

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